香月 夕花

小説家。書籍の刊行情報など

小説すばる「夕べの星」掲載

f:id:yukakatsuki:20180324195428j:plain

発売中の「小説すばる 4月号」に、短編「夕べの星」が掲載されています。ぜひご覧下さい。

昨年の8月号に掲載された短編「左手のルロイ」の続編です。前作の主人公である若葉の兄・久樹が、「雨いらずの稲」なるものをめぐって、ある女性に出会います。宵の明星みたいに輝く目をした彼女が秘めている過去とは、一体何なのか。久樹とともに、どうぞ探ってみて下さい。

オール讀物連載小説「永遠の詩」

f:id:yukakatsuki:20180324194854j:plain

ガラス職人を目指す青年・真島元基。彼は自らの過去から逃れるために、ガラス工芸作家・雨宮誠二の元に身を寄せますが、雨宮家にもまた、封印された過去が……。時代を超えて呼応する、二つの切ない物語をお楽しみ下さい。

元基を追いかける美しい継母・希帆の壊れた言動にも是非ご注目を。著者が最も心惹かれるキャラクターの一人です。

2017年6月号より、12月号まで掲載(全6回。8月号は休載)。

単行本は2018年秋頃に刊行予定です。

水に立つ人

f:id:yukakatsuki:20180324193942j:plain

オール讀物新人賞受賞作「水に立つ人」所収の短編集。

「水」をテーマにした五つの物語が収められています。

彼岸と此岸の「岸辺」、母性や深層心理のメタファーとしての「海」、流されることのなかった涙をためこんだ「水風船」。

「水」は、人の心の象徴です。登場人物たちの内側に潜む「水」は、時に濁り、時に澄み渡りながら、時に応じて様々に表情を変えていきます。どうぞその移り変わりにお付き合い下さい。読者の皆様にとってこの本が、美味しく、滋養のある水となりますように。

収録作品

  • やわらかな足で人魚は
  • 岸辺で私は歌を待つ
  • 彼女の海に沈む
  • 水風船の壊れる朝に
  • 水に立つ人