オール讀物新人賞受賞作「水に立つ人」所収の短編集。
「水」をテーマにした五つの物語が収められています。
彼岸と此岸の「岸辺」、母性や深層心理のメタファーとしての「海」、流されることのなかった涙をためこんだ「水風船」。
「水」は、人の心の象徴です。登場人物たちの内側に潜む「水」は、時に濁り、時に澄み渡りながら、時に応じて様々に表情を変えていきます。どうぞその移り変わりにお付き合い下さい。読者の皆様にとってこの本が、美味しく、滋養のある水となりますように。
収録作品
- やわらかな足で人魚は
- 岸辺で私は歌を待つ
- 彼女の海に沈む
- 水風船の壊れる朝に
- 水に立つ人